設 立 趣 旨 書 

1.趣旨

 二十世紀に入って、地球における人間活動はエネルギー技術を中心とした科学技術の発達により急速に 拡大した。その結果、この半世紀で人口は急激に増加し、生活水準は飛躍的に向上した。 しかしその一方で、化石燃料の大量消費に起因する地球環境問題や、 人口増加による食糧問題などを引き起こし、化石燃料枯渇の懸念とともに、人類の将来への不安が広がっている。 このような状況の中で、現在、化石燃料に変わる 新しいクリーンなエネルギーの創出による地球環境の保全が世界共通の課題になっている。

 自然エネルギーは、地球の運動で周期的に生み出されるクリーンなエネルギーである。 したがって、化石燃料の消費を削減し、環境を保全するためには、 地域資源である自然エネルギーの有効利用を考えることが重要である。 現在北海道は、地域の経済的自立が大きな課題になっている。 北海道が自立するためには、食糧の自給率向上とともにエネルギーの自給率向上が不可欠である。 そのために北海道は、自然エネルギーの宝庫であるという地域性を活かして、 自然エネルギーの有効利用に積極的に取り組み、 世界的課題であるエネルギー問題と環境問題の解決に向けて地域として貢献することが重要である。

 北海道では現在、各地で研究会が発足し、自然エネルギー利用の取り組みが始まっている。 しかしこれらは、情報交換の場と機会が不足しているため個別活動に留まっており、 利用技術の向上と普及が遅れているのが現状である。 そこで、各地の研究会・研究者等が集まり、 従来の「北海道自然エネルギー研究会」を新たにNPOとして組織化して活動を強化し、 自然エネルギー利用の研究・開発と普及・啓蒙活動をより効果的に行おうというのが、 本NPO設立の目的であり、趣旨である。

2.申請に至るまでの経過

 北海道自然エネルギー研究会はこれまで「北海道の自然・環境・産業を考えるシンポジウム」 を毎年開催するとともに、2002年には環境を守るための「自然エネルギー読本」を出版するなど、 北海道における自然エネルギー利用の研究とその普及を積極的に進めてきた。 その中で、技術レベルのさらなる向上とより広範囲な普及を目指すには、 本研究会をNPO組織として強化することが必要との認識に至った。 本NPOは、今までの技術開発の推進と普及・啓蒙活動に加え、 各種プロジェクト実践の支援活動、地域の人材と技術の育成を図る活動なども行い、 これらの活動を通じて「循環型の豊かな地域社会を創造するセンター」としての役目を担うつもりである。

平成16年10月30日

特定非営利活動法人「北海道自然エネルギー研究会」
設立代表者  浦野慎一      




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