2023年6月の「総会」におきまして、日下哉前会長に引き継いで会長をやらせてもらうことになりました藤本です。当会では会員の平均年齢が年々上昇しているようで、高齢者と言われる65歳以上の方も多くおられます。私も高齢者ですが、前向きにとらえて進んでまいります。
2023年の「総会」は、2019年以来4年ぶりに対面で開催されました。2020年、2021年、2022年は新型コロナへの対応から対面開催を断念し、文書等での開催としましたが、2023年5月から新型コロナの位置付けが軽度に変更され、対応も個人判断に変わったため対面開催としました。
「総会」と同日に行われている「研究発表会」も4年ぶりの開催でした。また、毎年行われてきた「現地見学会」は、2019年のせたな町での「風サミット」以降、実施を見合わせています。2023年の現地見学会につきましては、厚労省のコロナの発生等についての発表を見ると7月時点では新規感染者数は増加傾向ですので、今後の推移を見極めて決める必要があります。
このように2020〜2022年の3年間は当研究会のメイン事業が中止となったなかで、会誌は会員の皆様の投稿と会誌担当理事の積極的な努力により、2020年の14号から2023年の17号まで毎年途切れることなく発行を続けてきました。会員と研究会とのつながりを維持できたのではないでしょうか。
この会はエネルギーや環境等に関心を持ち、認識を深めることを目指している方の集まりです。会員の中にはそれらに対する研究や開発などに携わっている方もおられますし、携わっていない方も多くいらっしゃいます。携わっていない方が、会の活動にどう関わっていくかを考えてみました。
例えば、新聞の切り抜きを行い、インターネットも活用して環境やエネルギー等に関する現状を整理することです。キーワードは例えば、「洋上風力発電」「GX脱炭素電源法」「処理水」等、多々あります。そして、発信することです。我々会員には発信の場である会誌と研究発表会があります。会の目的の一つである啓蒙活動に貢献できます。
自然エネルギーを用いた発電所の建設には、地域特性から反対の意見もあります。さらに、自然エネルギーは、枯渇しない・CO2の排出が少ない等のプラス面がありますが、それぞれにはマイナス面もあります。マイナス面にも注目し、具体例を整理・発信していくことも啓蒙活動と言えます。
先日(2023.6.29)、北海道の蘭越町で地熱発電に向けての調査ボーリング中に蒸気と熱水が噴出し、ヒ素が飛散しました。自然エネルギーのマイナス面を知らしめる事故でした。内容と規模は違いますが、人体に害を与える物質の放出という意味では「3.11」と重なるところがあります。近年、原発は脱炭素に貢献する発電所として、推進の方向に舵が切られました。人体に害を与えるマイナス面と脱炭素のプラス面を天秤にかけますと、地熱はプラスに、原発は圧倒的なマイナスになると考えます。プラス面だけが強調された判断は正しいとは言えません。
日常の中で、関心事に注目することから一歩進めて、それらを整理・発信することで、理解が深まり、考え方のレベルアップにもつながります。
将来、化石燃料が枯渇する時が必ず来ます。それまでに環境に配慮した再生可能エネルギーで全てを賄う社会の構築が必要です。現状と将来を見据えて、貢献できる活動を継続してまいりましょう。
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Natural EnergyResearch Accociation in Hokkaido